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山鹿市民医療センターからのお知らせ

2017年4月1日

 胃癌、大腸癌などの消化管癌に対しては、病期(癌の進行の程度)や病変の部位などから手術の適応や術式の選択を行います。基本的には、治療ガイドラインに沿って術式の選択を行っていますが患者様の術後のQOL(Quality of Life: 生活の質)についても十分に検討を行い最終決定しています。低侵襲手術である腹腔鏡手術にも積極的に取り組んでいます。

 

山鹿市民医療センター 消化管外科での取り組み

Ⅰ. 大腸癌同時性肝転移症例に対する腹腔鏡下大腸癌・肝転移同時切除

当院では、大腸癌の診断がついた時点で遠隔臓器転移を有するいわゆるStageIV大腸癌症例に対するConversion therapyにも積極的に取り組んでいます。当院外科の強みである肝臓外科とコラボレーションして、腹腔鏡下大腸癌・肝転移同時切除を行っています。

 

症例提示:

56歳女性。横行結腸癌(肝彎曲部2型病変)同時性肝転移(肝S8)+傍大動脈リンパ節転移を認め当院へ紹介となった。B-mab+XELOX 3コース施行で著効を示し、PETでもnear CR(図1)となった。腹腔鏡下肝部分切除術+右半結腸切除術を施行した(図2、図3、図4)。手術時間は8時間25分、出血量は50g。術後14日目で退院となった。原発巣、肝転移巣ともに病理学的CRだった。

術後の手術痕を供覧します(図5)。

 

図1 化学療法前後の画像評価

 

図2 術前 simulation

図3 術中写真

 

図4 摘出標本 抗癌剤の効果でいずれの病変にも癌の遺残はなかった。

図5 術後の創

 

Ⅱ.  LECS

LECSとは、Laparoscopic and Endoscopic Cooperative Surgery の略であり、腹腔鏡手術(外科)と消化器内視鏡手術(内科)の合同手術の総称です。今までに様々な手技によるLECSが報告されています(図1)。当院においても、適応病変に対しては外科と消化器内科が協働して行っています。一般に、リンパ節郭清が不要な病変に対する局所切除に適しており、胃の粘膜下腫瘍(SMT)の切除がいい適応となります。

 

症例提示:

79歳女性。以前より上部消化管内視鏡検査で胃体中部前壁に1cm程度の胃粘膜下腫瘍(SMT)を指摘され経過観察されていた。増大傾向あり(図2)当院消化器内科に紹介となり、EUS-FNABで消化管間質腫瘍(GIST)の診断となり切除目的に外科紹介となった。内腔突出型のため(図3)胃の漿膜面からの腫瘍の正確な位置や大きさ等の確認が困難であり、消化器内視鏡で管腔内からのアプローチも併用する方針となり、LECSを施行した(図4)。手術時間は3時間20分、出血量は20g、術後2日目より食事開始して術後9日目に退院となった。

 

図1 様々な「LECS」

 

図2 増大する胃粘膜下腫瘍

 

図3 術前画像診断

 

図4 術中写真

 

Ⅲ. 近赤外線蛍光診断法を用いた腸管血流評価について

消化管手術において特に避けたい合併症として、吻合部の縫合不全があります。吻合部とは腸管を切除した後につなぎ合わせた部分のことを言い、縫合不全とはそのつなぎ目が漏れることを言います。

大腸手術における縫合不全についての報告は様々ありますが、特に、下部直腸における低位前方切除術(より肛門に近い場所での吻合)後の吻合部縫合不全の発生率は、約10%弱とされています。縫合不全の原因としては、吻合部の過度な緊張や吻合機器の使用法、患者側の併存疾患など複数の要因が挙げられますが、そのうちの一つに吻合部の腸管血流の不足が挙げられます。

以前から、吻合部の血流の有無については、吻合予定部の腸管の色調などから判断していました。しかし、平成30年4月の診療報酬改正により、保険診療内で手術中に試薬を用いた蛍光測定等により消化管の血流確認を行うことができるようになりました。当院でも導入し活用しています。

試薬としては、インドシアニングリーン(ICG)を用います。以前から、肝機能評価のために用いてきた試薬です。吻合を予定している部分の血管の処理を終えた後に、ICG溶液を静脈注射します。近赤外光下にICGの蛍光を観察可能なモニター装置で観察すると、約30秒~1分後に腸管が蛍光されて腸管血流が観察できます(図1)。この方法について報告している論文では、良好な血流が観察できた群では吻合部の縫合不全は発生しなかったと報告されています。

当院では、2018年4月以降1年間で、開腹2例を含む10例の症例で利用しています(図2)。良好な血流が観察できた症例では吻合部の縫合不全は認めていません。NCD data(2011-2013年の3年間)では、右半結腸切除術と低位前方切除術の縫合不全の発生率は、それぞれ1.7%と9.4%とされており、良好な成績と考えています。

図1:実際のICG蛍光法による血流評価(当院症例:低位前方切除術)

ICGを静注した上で、吻合を予定している部分の腸管血流(緑に光る部分)を近赤外線下に確認した。血流のない部分は蛍光を確認できない。

 

図2:2018/4月~2019/3月 当院でICG蛍光法を利用した10例

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