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院長あいさつ

 今年度は当センターが町立病院から市立病院に名称変更して70年目を迎える年です。

 昭和~平成~令和の時代を経てきたわけですが、昨年度は医療、社会ともに大きな転換期を迎えた年であったように感じられます。新型コロナのパンデミック以降停滞していた世の中が「感染症5類への見直し」とともに変化し、一気に動き出した転換期だったといえます。振り返ると、人流や社会情勢など街の様子が変化するのにはそれ程時間を要しなかったように思います。それとともに国全体のCOVID-19への取り組みが緩和され、各地域へ分散し、情報も漸減してきています。

 一方、新型コロナという疾患が変わったわけではなく、重症化することもあれば、感染大流行もあり、医療機関への影響はまだ続いています。今後も引き続き感染防御を励行し、蔓延を抑制する取り組みは必要です。

 全体的には活気がでてきて、コロナ前に戻ったという表現とともに明るい方向が見えてきていました。しかし、その矢先に発生した能登半島地方を震源とする地震により大きな被害がもたらされました。あらためて深い哀悼の意を表し、被災された皆さまに心からお見舞い申し上げます。そして、今もなお被害が続いており、我が国の復興にくさびを打つできごとなっています。

 さて、コロナ流行下の4年間で地域社会ではますますその課題が目に見えてきました。少子高齢化、人口減少、中央都市部との格差、インフラの老朽化などはその代表です。当医療圏でもその傾向は顕著であり、病院と地域社会がかかえる共通の課題となっています。

 そうした中、2024年度は診療報酬改定が行われる年となります。今回は6年に1度の医療、介護、障害福祉サービスに関する「トリプル改定」です。複数の医療制度にまたがる大規模な改定となり、多くの医療機関にとって影響が大きいものと予想されます。新しい施策のもとでは効率化・合理化も必要であり、医師の働き方改革やオンライン診療、医療DXの推進、医療サービス間の情報共有・連携もポイントになってきます。全体的な流れとしては今後の超高齢社会にも耐えうる医療提供体制を構築する足場づくりであり、公的地域医療機関の今後を左右する国家的医療計画とつながっています。

 改定に対応しつつも、我々の使命である「地域住民の生命と健康への貢献」の本質は変わりませんので、これからも地域中核病院としての医療体制を維持して行く所存です。そのために診療機能・設備を維持し、地域の医療機関との連携を培い、地域社会貢献に備えた病院づくりを続けていかなければなりません。その礎となるのは全ての病院職員であり、地方の人材確保に務め、職員が充実して働ける体制造りに力を入れていく必要があると思っています。ご存知のように熊本県北東部はTSMC大工場建設による大きな社会的構造変化を迎えています。できればこれが県北全体の起爆剤となり、山鹿、鹿本圏にも良い波及効果があること期待しています。そして次世代につながる地域医療機関として存続するべく、当センターの活動に皆さまのご理解とご支援を賜りたいと存じます。

 新年度も何卒よろしくお願い申し上げます。

令和6年4月1日
山鹿市民医療センター 院長
石河 隆敏

院長挨拶

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