山鹿市民医療センターからのお知らせ
2017年10月7日
山鹿市民医療センターは平成24年11月に熊本県指定がん診療連携拠点病院に指定されました。さらに平成28年4月には日本肝臓学会認定施設の、平成29年1月には日本消化器病学会認定施設の資格を取得しました。本年度中には日本消化器外科学会の認定施設となる予定です。このように専門性の高い施設として、鹿本医療圏のがんの予防、診断・治療、緩和医療等を推進して来ました。本年1月の第一回市民公開講座『増えている大腸がんー大腸がんを学びましょう!』に引き続き、10月7日には『まだまだ多い胃がんー胃がんを一緒に学びましょう!』を開催しました。土曜日にも関わらず150名近い参加をいただき、心より感謝しております(写真1)。
胃がんは現在でも増え続けており、消化器がんでは患者数ランキング2位です。一方、胃がんの診断法や治療法は進歩しています。胃がんになり易いひとがわかるようになり、早期発見を行えば、体に優しい内視鏡治療や腹腔鏡手術での治癒が期待されます。進行例でみつかった場合にも、薬物療法と手術療法の組み合わせ治療により長期生存例を認めるようになりました。
今回は山鹿市民医療センターのスタッフに加えて、山鹿市健康増進課の山崎康代様にも講演をいただきました(写真2)。講演会中に加えて終了後の相談(質問)コーナーでも、活発な質疑応答がなされました(写真3)。当日のまとめを示します(表)。胃がんリスクの軽減、早期発見・早期治療、チーム医療、集学的治療、緩和医療などがキーワードです。現在、山鹿市民医療センターではがんの内視鏡治療、腹腔鏡下治療を含む手術療法、化学療法、緩和治療、さらにはそれらを組み合わせた集学的治療をすべて適切に行いうる状況になっています。薬物療法専門医で熊本大学付属病院外来化学療法センター長の陶山浩一先生に、週一回、水曜日に腫瘍内科外来を行っていただいています。何かございましたら、ご相談いただければ幸いです。
(文責別府透)
表1 本日のまとめ
1.胃がんは増加し続けている。
2.胃がん検診が重要。
3.ピロリ菌の除菌で胃がんのリスク軽減が可能。
4.早期の胃がんは体に優しい治療で治る。
5.進行胃がんの予後はチーム医療による集学的治療で改善している。
6.がん早期からの緩和医療の導入が必要。
写真1 講演を聴講する市民のみなさま
写真2 講演者のメンバー
左から、山鹿市健康増進課山崎康代様、消化器内科柚留木秀人、副院長(外科)別府透、院長豊永政和、外科長吉田泰、外科木下浩一、がん化学療法看護認定ナース竹田由香里
写真3 相談コーナー