院長あいさつ
令和7年度となり、当院は新たなメンバーを迎え、常勤診療科も増えて新体制でスタートしております。
病院としては1948年に「山鹿町国民健康保険組合診療所」として開設されてから実に77年目となり、人に例えれば喜寿の年となります。その後病院は名前を変え、姿を変えながらも山鹿の地域とともに歴史を積み重ねて今につながっています。昨年、山鹿市は「市民の方が健康で幸せに暮らす」という願いを込めて「健幸都市」宣言を行いました。地域中核病院である当院はその基盤となる役割を担い、都市の一部として恒常的な機能を発揮していく必要があると考えています。
さて、新型コロナの流行は今もなお病院にとっては脅威でありますが、社会全体に大きな影響を与えた時代から次のステップに移行しつつあります。昨年は医師の働き方改革や診療報酬のトリプル改定により、当院も診療内容や体制の見直し等の対応に迫られました。この制度変更を含めて病院経営についてはより厳しい環境となっていることは近年の報道で伝えられている事実です。特に地方の医療機関には大きな影響があったといえますが、当院としては、懸案に対して全職員が各々の立場で取り組み、対応する術を模索した結果、少しずつでも前進できた1年だったと考えています。
今般示された第8次熊本県保健医療政策において、地域中核病院へ求められる役割はますます高まってきています。その柱となる要項の中で「生涯を通じた健康づくり」、「地域を持続できる医療の提供」、「地域での健康危機への対応」には常日ごろより腐心するところであります。一方、高齢化、人口減少など日本全体の問題はより顕著なものとなり、医療圏として観点でも医師の高齢化や後継者不足は避けられない状況となりつつあります。
医療機能が集約されていくなかで、地域医療機関の連携と役割分担、近隣医療圏とのネットワーク構築などについて、柔軟な発想で取り組む時期に来ています。
今後も当院の基本である「地域住民の生命と健康への貢献」の理念を継続しつつ、さらなる向上を目指したいと思います。そして次世代につながる地域医療機関として存続するべく、当センターの活動に地域の皆様のご理解とご支援を賜りたいと存じます。
今後ともよろしくお願いいたします。
令和7年4月1日
山鹿市民医療センター 院長
石河 隆敏