山鹿市民医療センターからのお知らせ
2024年8月5日
7月28日(日)、熊本県と熊本大学病院が共催で毎年真夏に行っているイベント「肝がん撲滅運動・市民公開講座当」が当センターで盛大に開催されました。
このイベントは、山鹿市を含む県内6ヵ所で同日・同時刻に講演しており、今年のテーマは“元気な肝臓で目指せ健康寿命!”で、司会に当センターの別府 透先生、講師に熊本大学・消化器内科の長岡 克弥先生と私、本原で講演させていただきました。
脂肪肝はこれまで、大きくアルコール性と非アルコール性に分類されていましたが、非アルコール性脂肪肝は、以前から高血圧症や糖尿病などと結びつきが大きいことがわかっており、今年から【代謝異常に伴う脂肪性肝疾患】と名称が変わり細かい分類になりました。
ウイルス性肝炎は、主にB型肝炎、C型肝炎が治療の適応です。C型肝炎は今ではほぼ100%治る薬剤が使えます。しかしC型肝炎ウイルスが消えても肝臓癌になる可能性は0%にはならないことを覚えておいてください。B型肝炎にも薬剤がありますが、C型肝炎の治療と大きく違うのは、一生内服が必要なことです。しかし、B型肝炎も新たな薬剤が開発段階にあり、数年以内には内服をやめてもB型肝炎ウイルスが悪さをしない治療薬が使えるようになるかもしれません。
今年は会場にて、B型肝炎、C型肝炎ウイルスの検査を無料で実施しました。肝臓は非常に強い臓器のため、症状が出るときには病気が進んでいることが多いですが、定期的に検診や病院受診をされている方は軽度の肝機能障害で発見することができます。自分の肝臓は大丈夫かな?と思われたら一度検査を受けることで安心できますし、悪い結果でも早期治療に結び付きます。
肝臓について話を聞いたことが無い方、ご家族や友人で肝臓が悪いのではないかと心配される方がおられましたら、来年お気軽にご参加いただければ幸いです。
(消化器内科長:本原 利彦)