がんと栄養管理
がん悪液質とは
がん悪液質とは、体重減少と食欲不振を伴うがんの合併症です。
がん悪液質はがんの進行により8割の方に認められると言われており、下記のような様々な症状がみられます。
がん悪液質に伴う症状
日本がんサポーティブケア学会 . がん悪液質ハンドブック . 2019年3月より
図1の*のような症状は食事と大きく関わりがあり、食事摂取を妨げてしまう要因でもあるため、栄養状態を悪化させる可能性がある症状です。
栄養状態の悪化は、QOL(生活の質)の低下へつながってしまいます。
自分らしい生活が送れること、そのためにも栄養状態を維持することはとても大切なことなのです。
管理栄養士の関わり
当センターでは、各病棟ごとに担当管理栄養士を配置しており、食事時間の病棟ラウンドを実施しています。また、NST(栄養サポートチーム)活動にも取り組み、多職種での食事支援に努めているところです。
ベッドサイドでは食事摂取状況の確認、嗜好等の聞き取りを行い、栄養量の確保に向けて食事内容の調整や栄養食事指導を行っています。
例えば、胃がんなどの消化器疾患においては、術後の食事における留意点(食品の選択方法、調理法のポイント、食事の摂り方について等)をお話、退院後の不安な点などもご相談いただいています。
当センターの食事について
食欲低下された方向けに「さわやか食」の提供を行っています。
汁物、味ご飯へのメニュー置き換えや、お漬け物を添えたり塩分付加の調整をしている食事です。その他にも、ゼリーや果物、麺類などからお好きなものを組み合わせていただけるような食事もございます。
緩和ケア病棟のイベントではデザートの提供も行っております。
外来でも栄養食事指導を実施しておりますので、食事についてお困りのことなどがございましたらスタッフまでお気軽にお声かけください。
栄養管理室