がん総合的医療チーム

臨床工学技士

当院での臨床工学技士の業務

 臨床工学技士は、医師の指示のもと、生命維持管理装置などの医療機器を保守点検・操作することを業務としています。当院での臨床工学技士の主な業務は、輸液ポンプ、シリンジポンプ、低圧持続吸引器などの医療機器をME室で貸出、返却、点検を中央化し管理することです。

 また、一般的に生命維持管理装置と呼ばれる人工呼吸器や血液浄化装置の点検業務や使用前の準備(装置のセッティングや装着)、使用中の操作なども他職種と連携し行っています。

BENNETT 840

V 60

CHDF

DFPP

CART

 その他にも、肝動脈化学塞栓術時のシネ・アンギオ室や手術時の手術室での医療機器の点検、操作も行っています。

シネ・アンギオ室

手術室

臨床工学技士としてのがん医療との関わり

1) 腹水濾過濃縮再静注療法
 CART(Cell free and Concentrated Ascites Reinfsion Therapy)

腹水の採取時は、主治医、担当看護師と連携し、貯留バックへの接続、患者および腹水の観察を行い、PlasautoLC、ACH-Σなどの血液浄化装置を使用し濾過濃縮処理を行っています。

2) 肝臓がんに対するラジオ波焼灼療法、マイクロ波凝固療法

・ラジオ波焼灼療法

 ラジオ波焼灼療法とは、腫瘍に穿刺した電極(針)にAMラジオと同じ周波数の高周波を流し、腫瘍内のイオンを振動運動させることで生じる摩擦熱で、電極(針)周囲の腫瘍組織を凝固壊死させる治療法です。

 当院でのラジオ波焼灼療法は、電極(針)に可変型のVIVARF Electrodeを、装置にVIVARF GENERATORを使用しています。
治療は、局所麻酔または全身麻酔下で、超音波画像を確認しながら病変部まで体表から電極(針)を挿入して行います。時に腹腔鏡や開腹で直接病変部を確認して行う場合もあります。

≪経皮的 RFA≫

≪腹腔鏡下 RFA≫

≪開腹下 RFA≫

可変型の電極:VIV ARF Electrode
(Active Tip:5~30mm)

(焼灼開始出力)

Active Tip 開始出力値
10mm 20W
15mm 30W
20mm 40W
25mm 50W
30mm 60W

VIVARF GENERATOR

臨床工学技士が装置のセッティング操作を行う様子

VIVARF GENERATORの出力
 電極のTip長に応じた初期出力で開始し、1分毎に10Wずつ上昇。インピーダンス、温度などを記録、確認しながら治療を行います。
それを、初期のインピーダンスから+60%上昇し出力が停止(ロールオフ)するまで継続。その後は、ロールオフした出力の10W低い設定で出力を継続していき、超音波画像、経過時間、ロールオフの回数で術者と治療時間を決定しています。

・マイクロ波凝固療法

マイクロ波凝固療法は、先述のラジオ波焼灼療法と同様の原理で行われる治療法ですが、使用される高周波が異なり、ラジオ波ではなくマイクロ波を使用した治療となります。

事前に腫瘍サイズを主治医、術者と確認し、焼灼設定表(上表)を使用し時間と出力を決定します。

治療は、出力45wで1分、55wで1分のpre ablationを行った後、決定した治療時間まで75wまたは100wで出力を維持し、超音波画像を確認しながら治療を行っていきます。

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