放射線科
当科は、放射線科長(外科医)をはじめ診療放射線技師5名(内女性1名)、事務員1名(午前のみ)の計7名体制で業務を行っております。
放射線を扱う専門部門として安全管理に努め、被ばく低減にも充分留意しております。検査に対する疑問、放射線に関する不安な点等ございましたらお気軽にお声がけください。
また当科では、MRI・CTの共同利用を積極的に受け入れております。専従の診療放射線技師が、装置の特性を活かした診断能の高い画像を提供致します。必要に応じて当日、急性の疾患にいち早く対応できるよう心掛けております。また、画像診断専門医による読影レポートを翌日までにFAX・郵送にて紹介元にお届け致します。
CT装置が新しくなりました。
当施設では地域医療の充実を図るべく、老朽化したCTの更新を行いました。令和4年9月に今回導入されましたCanon社製Aquilion ONE nature editionは体軸方向に320列の検出器を有し、従来使用していた64列CTから大幅にグレードアップ致しました。
特長としまして、
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Deep Learning Reconstruction (AiCE)
AI技術のアプローチの1つである、Deep Learningを用いて設計した画像再構成技術で、分解能を維持したままノイズを選択的に除去することができます。本技術により、高品質な画像を低線量かつ短時間で提供することが可能となりました。 -
高速撮影
胸部~骨盤までの撮影を2秒で終えることができる高速撮影モードが選択できます。息止め不能な方や体動のある患者様に有用です。 また、wide volume撮影を用いることで心臓の検査ではブレの少ない高画質な画像の提供、四肢関節ではアーチファクトの少ない高分解能な画像を短時間で得られるようになりました。 -
低管電圧撮影
従来の120kVp撮影に加え、80kVpの選択が可能となりました。低管電圧を用いることで、造影剤のコントラストを増強することができ、腎機能が悪い方には40%程度減量した少量の造影剤で検査することも可能です。 -
金属アーチファクト抑制技術 (SEMAR)
手術で金属を埋め込まれている患者様の金属アーチファクトの低減が可能となり、従来は評価しづらかった金属周囲が、より見やすく評価しやすくなりました。 -
Silver Beam Filter
銀(Ag)のフィルターを用いることでX線内の低エネルギー成分を低減し、被ばくを大幅に抑制します。従来と比較して約1/7の被ばく線量で検査が可能となり、胸部一般撮影に近い被ばく線量での、高品質な低ノイズ肺がんCTスクリーング検査の提供を目指します。
Canon社製Aquilion ONE は3次救急病院や大学病院等の特定機能病院でも広く使用され、安定した高画質に定評があります。放射線科と致しましても、患者様の状態、検査の目的に即した最良の検査と画像を提供し、迅速な診断に貢献できるよう一層努力して参ります。

高度医療機器
MRI
PHILIPS社製Ingenia 1.5TMRIを使用しています。平成26年12月に導入された当装置(Release5)は、県内初導入の最新型MRIです。開口径が従来の装置より広いワイドボアタイプとなり、より圧迫感の少ない、患者様に優しい検査環境を実現できます。また、世界初のデジタルコイルを採用しており、ノイズが少なく診断能の高い画像が得られるようになりました。


新しい技術として、体動補正技術(MultiVane)や金属アーチファクト抑制技術(MARS)が使えるようになり、画質が格段に改善しております。
また、これまでの呼吸同期に加え、横隔膜の動きをリアルタイムに観察できるNavigator echo法が使えるようになり、肝臓領域やMRCP検査においてより高精細な同期撮影が可能となりました。
また、全脊椎検査やDWIBSなど以前の装置では多くの時間を費やしていた広範囲の検査に対して特にスループットが向上し、以前よりも短時間での検査が可能となりました。

体動補正なし

体動補正あり

金属アーチファクト抑制なし

金属アーチファクト抑制あり

MRCP

頭部MRangio

全脊椎

乳房MRI
CT
Canon社製320列マルチスライスCTを使用しています。令和4年9月に県内初導入された最新型の装置です。従来の装置より大幅な被ばく低減と短時間撮影が可能となり、検査精度が格段に向上しています。患者様の負担が少なく、より高精細な画像が得られるようになりました。

閉塞性動脈硬化症(ASO)に対する下肢CTangio、肺梗塞・深部静脈血栓症の精査、外傷全身CT、狭心症疑いに対する心臓CT、外科術前精査など各科からの依頼に迅速に対応しております。
また、CTの更新に伴い3次元画像解析ワークステーションsynapseVINCENTを最新版にバージョンアップしました。
FUJIFILM独自のAI技術を搭載し、自動抽出機能が充実したことで、整形領域をはじめ、冠動脈解析、肝切除術前シミュレーション、大腸癌術前CTcolonographyにおいて、より短時間で高精度な3D解析ができるようになりました。

下肢CTangio

解離性大動脈瘤

大腿骨転子部骨折

大腿骨転子部骨折オペ後

肺動静脈分離

心臓CT

肝臓癌術前シミュレーション

大腸CT
血管造影装置
天井走行式Cアームシステムに12×16インチの大視野FPDを搭載しており、腹部だけでなく、循環器領域まで多目的での利用が可能です。
天井走行式ならではの広範囲な可動性能と高速Cアーム回転を実現し、回転3D-DSA検査も可能です。1回の造影では形態判断が困難であった血管走行を自由な方向から三次元的に観察できます。
また、コーンビームCTの再構成原理に基づくLCIにより、X線吸収の少ない軟部組織を断層、3D表示できます。このLCIにより、インターベンションにおける治療効果の確認や手技のオリエンテーションに役立ちます。
低線量ながらも高画質を実現する画像処理コンセプトを搭載しており、安心して検査が受けられます。

冠動脈形成術治療前

冠動脈形成術治療後

腹部血管造影

肝動脈塞栓術治療前

肝動脈塞栓術治療後
マンモグラフィー
令和3年3月にデジタルマンモグラフィ装置(Canon社製Pe・ru・ru DIGITAL)を新しく導入しました。
これまで使用していたCR型マンモグラフィ装置と比べ、撮影した画像を3~5秒ほどで確認することができるため、検査時間を大幅に短縮することができます。
そして、Canon独自の「美圧」システムで圧迫時の痛みを軽減、「フラットアームレスト」で転倒を防止しつつ大胸筋の緊張を緩和することでより圧迫時の痛みの軽減と画質の向上、X線被ばくの低減が可能となりました。
また、装置の更新に伴いフイルム診療からモニタ診療に変更となりました。高精細(500万画素)モニタであるため微細な病変も確認でき、淡い病変や乳腺と重なった病変も特定しやすくなりました。
当施設では、マンモグラフィー認定技師(A評価)が2名在籍しており、乳がんの早期発見、精度管理に努めています。また、平成29年4月より女性の診療放射線技師が常勤となり、より安心できる検査環境を整えています。女性技師をご希望される方は事前にご連絡ください。

両側性浸潤性乳管癌(右)

両側性浸潤性乳管癌(左)
骨密度
GEヘルスケア製の骨密度測定装置(PRODIGY Fuga-C)を使用しています。
腰椎・大腿骨近位部の2ヵ所を被検者の体勢を変えることなく3、4分程度で測定することができます。また、2ヵ所同時測定時のX線入射線量は胸部レントゲンの約1/6程度ととても少なく抑えられ、高画質な画像の提供が可能です。
従来のものより低被曝で患者様に優しい骨粗鬆症の診断が行えます。